混合ワクチンって?


子犬の健康管理で最も大切なことは、病気の予防です。
感染すると死亡率の高い伝染病から子犬を守るためにも ワクチンについての知識を身につけましょう。



狂犬病の予防接種は法律で決められた飼い主の義務ですが、その狂犬病以外でも恐ろしい伝染病はいくつかあります。
おもに、犬ジステンバー、犬パルボウィルス感染症、犬アデノウィルス2型感染症、犬伝染性肝炎、犬パラインフルエンザなど・・。犬の体質や飼われている環境によって受けるべき種類の予防接種も異なってきますので、子犬を飼い始めたら動物病院で健康診断を兼ねて相談にいくと良いでしょう。
 


(1) ワクチン接種時期について

生まれたばかりの子犬は、免疫系が未発達なので、 自分で免疫抗体を作ることができませんが、
生まれてからしばらくの間は、母親の初乳に含まれている「移行抗体」によって守られています。(この抗体はあらゆる病気に対しての免疫物質を多く含んでいます。)

しかし、生後3週間〜4週間ほどで母乳から離乳食に変わり、
この「移行抗体」の多くは42日から150日で消滅してしまうのです。
そのため「移行抗体」が切れる頃にワクチン接種が必要となるのですが、
伝染病を防ぐために、この母親からの免疫がなくなる時期のタイミングでワクチンを接種します。

しかし、この母親からの免疫がなくなる時期というのが問題で、「移行抗体」が子犬の体に残っていると、ワクチンを接種しても、きちんと子犬の体の中で抗体を作ることができません。

ですから、この期間、病気から子犬を守り、最終的に、ワクチンによってしっかりと抗体が作られるようにするためには、「移行抗体」が減少し始める 生後42日から150日までの間に数回に渡ってワクチンを接種するのが最も効果的です。

このようにして考えられたワクチンの打ち方(いつから、どのくらいの間隔で、何回打てばよいか)を、「ワクチン接種プログラム」といいますが、この「ワクチン接種プログラム」には、子犬の生活環境やワクチンの種類などによりいくつかの方法があり、一般に次のようなプログラムで接種します。

1. 生後2カ月目(約8〜9週)と3カ月目(12〜14週)にそれぞれ1回づつの計2回接種
2. 生後6週目と9週目、更に12〜14週目に1回ずつの計3回接種


そして、次の年からは、年に1回づつ接種するのが理想的です。
なお、ワクチンにより得られた免疫は、約1年間効果が持続しますが、時間がたつと次第に効果が落ちてきます。


(2) ワクチン接種と効用について

●2種混合ワクチン
ブリーダー段階でお届け前に接種するとしたら最低この2種混合ワクチンを打ちます。
この場合犬ジステンバー、犬パルボウィルス感染症の2種を言います。
この二つが最も発症確率の高い恐い感染症だからです。
子犬への負担も少ないワクチンと言えます。

●5種混合ワクチン
犬ジステンバー、犬パルボウィルス感染症に加え犬アデノウィルス2型感染症、犬伝染性肝炎、
犬パラインフルエンザを言います。子犬の状態により、初回はこの5種を選択する獣医が多いようです。

●8種混合ワクチン
上記に3種追加されたものですが、この中には犬レプトスピラ病と言う 人畜共通感染症 も含まれています。
以上は、現在一般的に行なわれている混合ワクチンです。

 病名 原因 主な症状
 狂犬病 ・感染している動物に噛まれることにより感染。※現在、日本では絶滅している。 ・およそ2〜6週間で発病。食欲不振や、暗がりへ隠れるなどの異常行動が見られる。やがてよだれをだらだらと流すようになり、興奮・凶暴状態が続く。感染した犬は100%死に至る。
 ジステンバー ・感染している犬のくしゃみから感染したり、噛み合ったり、なめ合ったりすることにより感染。 ・およそ4〜6日で発症。発熱、食欲不振、目やに、鼻水、下痢、嘔吐などの症状が見られ、けいれんや麻痺を引き起こす。
 パルボウィルス感染症 ・感染した犬の糞や嘔吐物、食器などに接触することにより感染。 ・心筋に感染した場合、突然呼吸困難をおこし、発病後30分以内に死に至る。腸に感染した場合、激しい嘔吐や下痢が続き、血便が出たのち、発病後数日で脱水症状を起こし、死に至る。
 パラインフルエンザ感染症 ・感染している犬のくしゃみ、咳から感染。他のウィルスや細菌も同時に感染することも多い。(これを、ケンネルコフと言います。) ・乾いた咳や微熱から始まり、重症になると肺炎を起こす。
 伝染性肝炎 ・感染している犬の糞や唾液などに接触することで感染。 ・発熱、嘔吐、腹痛、下痢、血尿など症状はさまざま。子犬がかかると半日〜1日で死に至ることも。
 レプトスピラ症 ・感染している犬の尿に接触することで口から感染。ネズミや豚など尿が感染源になることもある。 ・肝臓や腎臓に感染し、肝炎、腎炎、黄疸、高熱、口内膜の出血など。また、尿毒症を起こし、回復しても慢性肝炎になることもある。

(3) ワクチン接種後の注意点について

ワクチンと言っても、体内に異物をいれることになる訳ですから、
アレルギーなどの反応を起こす可能性が無いわけではありません。

ワクチン接種後の反応としては、注射した局部の腫れやしこりなどの他、顔が腫れたり、急に元気が無くなったり、ショック状態になることもあります。
「アナフィラキシー」という非常に強いアレルギー反応を起こした場合には、非常に稀ではありますが、命に関わる危険性も出てきます。

急性の強いアレルギー反応は通常、接種後30分〜数時間程度で発生することが多いため、
病院でワクチンを接種した後は、できれば1時間くらい病院内で様子を見てから帰宅されることをお勧めします。
したがって、夕方接種して夜間に具合が悪くなるという状況を避けるため、
可能な場合は出来るだけ午前中にワクチンを接種することをお勧めしています。

また、ワクチンを接種した日はあまり興奮させたり、激しい運動をさせないように注意することと、
ワクチン接種後、万が一 様子がおかしい場合には、すぐに病院に連絡するようにしてください。


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